昔買った金木犀のお香。
リラックスしたくて、一人
部屋で焚いていた。
秋の匂いだ、優しくて少しだけ物悲しい。
甘いものが食べたくて、コンビニで買ったお菓子。
ホルン、学生の時によく食べてたな。
*******
ただいま、と
おかえり、がようやく交わされて
文字の上で抱き合うように飛び交った。
複雑で、言葉にできない感情が
ぐるりぐるりと喉を絞めつけてくるけれど
そんなことは置いておいて
ただ無事でいてくれたことが何よりだ。
まだ癒えない傷も、
飲み込めない酷い痛みも、
泣き笑いで押し込めるから
だからどうか、もう
こんな思いは二度とさせないで。
再会を噛みしめる裏で、
どこか冷静な言葉が浮かんでしまう
自分の二面性に嫌気が差すけれど
どうか今は気付かないふりをしてほしい。
ぼくもそうするから。
=遊兎=