Cry for the Moon

哀しがりの黒猫のひとりごと。

大粒のかき氷(メロン味)

かき氷器を買った。
彼がどうしても食べたいとぐずって
一緒に探しに行った。

近くのホームセンターには、
大きくて立派なかき氷器しかなくて
小さな部屋で二人暮らしの私たちには
もて余すから、
ネットで買っておいてあげるからと
なんとかあやして帰った。

食事をしようと行き付けのお店に行く途中
小さな商店でやっていたワゴンセールに
赤色の値札をつけられた
小さなかき氷器を見つけた。

安っぽい青い小さなかき氷器。
見つけてすぐに彼は笑顔で
買う!と言ったから
買っておいでと見送った。

ついでにスーパーに寄って
シロップも買った。
ほんとはイチゴが良かったけれど
今の時期売り切れてしまっていて
メロンとブルーハワイしかなかった。
仕方なくメロンを買って
食事をして帰った。


二人でかき氷器をあけて
ガラスの器はないからスープカップで我慢して
がりがりと音を立てながら
かき氷を作った。

お世辞にも美味しいとは言えない
大粒のかき氷。
口どけなんてものはない
ばりばり噛み砕きながら食べる
安っぽいかき氷。


緑色になった舌を出しあって笑う。

いつか忘れてしまうかもしれないけれど
こんな夏がずっとずっと
未来にもあってほしいと思う。


大好きなきみと
かき氷ひとつで笑える
幸せな夏。

=遊兎=