Cry for the Moon

哀しがりの黒猫のひとりごと。

Ne m'oublie pas.

逃避行、2日目。

昨日よりは少しましだったけど、

相変わらずご機嫌斜めの彼と

朝食をとってからお庭へ。

 


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綺麗なところだったな。

桜や椿がたくさん咲いていて、

春を全身で感じた。


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この日のために買ったような

黒のキャミワンピ。

重厚な生地で、フレアスカートの形も完璧。

後ろのリボンも最高。

 

なのに一度も褒めてもらえなかった。

買うときにはあんなに絶賛してくれたのにな、

あの時見せたお洋服だよ、って話しかけたら

軽くあしらわれてしまって哀しくなった。


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お部屋も静かで素敵だった。

どこを切り取っても高級感があって、

特別な日にはぴったりだったはずなのに

どこか寂しかったのは、きっと私だけ。

 


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少しだけカフェで時間を潰してから

今日の目的地へ。

今日も日差しが強くて暖かかったから

アイスのホワイトチョコドリンクがとても美味しかった。

 


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ずっと行きたかった佐藤可士和展。

美術館もずっといけなくて、とても楽しみにしていた。

入場規制があったから、そわそわしたけれど

無事に入れて、中もちゃんと楽しめた。

 

展示の内容が想像よりも面白かったみたいで

彼も少しご機嫌が良くなった。

だから写真も少し撮ってもらえた。

 

久しぶりの美術館で私も元気になったし

本当に来れて良かったと思う。

目的だった図録もしっかり買えた。

 

美術館の前の桜も、ちょうど散り初めで

桜吹雪が舞っていた。

とても綺麗で、みんなが立ち止まってはカメラを向けていた。

私も一生懸命シャッターを切った。

 

桜の花言葉、フランスでは

「私を忘れないで」と言う意味を持つらしい。

 

まさに今の気持ちだった。

桜が散るように、

心が千切れていく私を

どうか忘れないで。

 

ずっと頑張ってきた日々の

ご褒美的な旅行のはずだったけど

正直、あまり手放しでは喜べなかった。

 

一生懸命、楽しもうとしたんだけどな。

私が悪かったのかな、

あなたは何を聞いても、無視するだけだったけど。

 

成り立たない会話に締め付けられて

何度も泣きそうになったけれど

一応、楽しんでくれたんだろうか。

 

あなたの中では楽しい思い出として残るならそれでいい。

結果オーライ。

私もそう思う。

 

私を忘れないで、と泣いた私に蓋をする。

写真に写った私は、ちゃんと笑っているはずだから。

 

=遊兎=