Cry for the Moon

哀しがりの黒猫のひとりごと。

差し伸べたのは救いたかったから



友人の個展に行ってきました。
でも、なんだか
友人というよりも
一人のアーティストの個展を
見に行った、という感覚に近かったなあ。

待っていたのは、笑顔の彼女で
もちろん、一緒にいたのは私だけれど

展示を見ている間は
そういう関係性をどこかに置いて
作品を見させてもらった。


展示を見て、
いつもいろんな想いが浮かぶし
もちろん、
いろんな方法も思い付くけれど
それを口に出すことはなく

ただ、
目に映るものを
受け入れて飲み込んでいくような
そんな気分でいた。


好きな絵が飾られていたこと、
これから、を予感させる言葉を聞けたこと、
はじまりのこと、
誰かのための空間のこと、

彼女の話を聞きながら、
彼女の世界を見せてもらえたことは
とても貴重だったな。

そしてとても面白かった。
興奮よりも安堵があった。

不思議な気持ちもあった。



いろんなことがあったことを
少なからず知っているけれど
なぜだかそれを結びつけたいと思わなかった。
彼女がこれを描いた、撮った、作った
それだけの事実をただ、見るのが
私にとって、
その作品と彼女と付き合う方法なのかなとも思った。


大切な友人の
大切な1日に立ち会えたこと、
私たちの顔を見て
安心したって言ってもらえたこと、
とても
嬉しい日だった。


ありがとう、見せてくれて。
お招きしてくれて。

苦しくても、上手くいかなくても
あの展示は、今のきみにしかできないものだから
きっと、これで良いと思うの。


ふと見えた、
誰かに手を差し伸べた幻想が
誰のものだったか分からないけれど
ただ、
救いたかったから、手を伸ばしたんだって
言ってもらえたような気がした。

展示を見て、そう思ったのか
今はよく分からないけれど

今日見せてもらったものは
私にとっても、特別なものになったと思う。


お疲れ様、
ありがとう。


=遊兎=