Cry for the Moon

哀しがりの黒猫のひとりごと。

優しさに依存させないで

薬を飲んで

やってしまったと罪悪感と

もうどうにでもなれと思う自暴自棄と

日常が来る恐怖で

ぐちゃぐちゃになっていた。

 

朝方震えながら、眠ることも出来ず

ひたすら薬のことを考えていた。

 

唯一、手を伸ばせたのはきみだった。

情けなくて悔しいけれど

きみしか思い付かなくて

きみの言葉に救われた。

 

眠れない私に付き合うように

日が昇っても言葉を交わしてくれた。

起きたことを責めずに

哀しさをあるがままに認めてくれた。

 

そうしてくれると知っていて

私は連絡をしたんだと思う。

この哀しさを大切にするように教えてくれたのは

紛れもないきみだったから。

 

直接的な話はひとつもしなかった。

副作用で鈍る頭の中で

夢みたいだなと思った。

 

薬が抜けるのが怖かった。

多幸感がなくなって、現実に戻りたくなかった。

また薬に依存するのが怖かった。

きみに連絡してしまうのが怖かった。

疚しいことはないのに、きみと引き離されるのが怖かった。

 

なにもかも怖くて、

それを忘れるために、また薬を飲んでしまいそうで

悪循環に落ちそうな自分が

とてつもなく嫌だった。

 

眠れないまま、日常に戻ってきた。

多少痛めた内臓が、夢じゃないなと気付かせる。

それ以外はなにも分からない。

 

彼は私に優しくしてくれている。

私もいつもどおりに笑っている。

 

なにかが壊れたとしても、

そこを見ないでいるうちは知らなくて済む。

 

昨日の感情はきっと、

薬で塞がったんだ。

 

大丈夫、平気だよって笑う私は

本当に私だろうか。

 

 

 

=遊兎=