Cry for the Moon

哀しがりの黒猫のひとりごと。

きみの首に付けた鈴

もう消えないでね、と話をした。

いつだって探すのは私だから

探す方の身になってよって。

 

首に鈴でも付けておいてよ、

いなくなっても分かるように。

 

それじゃあ逃げる前提じゃん。笑

 

お守りだよ、

次に逃げたらGPSチップを埋めてやるんだから。

 

そんな例え話に花が咲く。

でも、きっと

きみは首に付けた鈴を置いて出ていってしまうし

私もきっと

それを知っててチップを埋め込んだ振りだけするんだろう。

 

そしてあてもなく探すんだ。

それが愛だと思い込んで。

 

*********

大切なものをしまった箱を

ある人は見せびらかし、

ある人は隠し、ある人はぶちまける。

 

でも君はその箱を誇示することも隠すこともしないで

そのまま愛でているよね。

その箱の中に俺との関係や思い出が入っているって伝えてくれるから嬉しいんだ。

 

それはきみがその箱の場所を知ってるからでしょう?

 

隠す必要も見せびらかす必要もないから。

 

きっとその箱の中には

きみのことが好きなあの頃の私が眠っていて

きみはそれを見に来てるんでしょう?

 

 

ねえ、そんな例え話をしていられる

この心地よさはなんだろうね。

 

たまには取り出してみたら?ときみが茶化して

眠っている子を起こすのは可哀想でしょ?と返す。

 

きっと私たちは同じ景色を見ている。

それがお互い心地良いのだと思う。

 

危うい関係を保ってくれているのは君が上手く線を引いてくれるから、と

きみは言ったけれど

 

私はきみが手元にいたら

すべてを投げ出して、きみを大切にしすぎてしまうから

きみが傍にいてほしくないんだよ、と笑った。

 

それが通じるのはきみがきみだから。

 

悔しいけれどきみだからだ。

 

=遊兎=