Cry for the Moon

哀しがりの黒猫のひとりごと。

自信なんて最初からないでしょ

欝々としている。

 

彼はロケハンと、明日の撮影の準備で

仕事に行ってしまったから

私ひとりでお留守番。

 

いろいろ頼んでいた荷物が届いたんだけど

配送業者さんのミスで

箱が破損し、品物がダメになったと連絡がきた。

連絡もなく届かないから、気になって電話をかけて

その事実がわかり、揉める気にもなれず

対処が決まったら連絡をもらえるように伝えて電話を切った。

 

何もしないわけにいかなくて、

家事をして、食事もなんとか摂った。

少し、仕事もした。

今日やらなくてもよかったけど

手を動かしていないと、しんでしまいそうな気分だった。

 

自信がない。

いろんなものに対して。

特に、仕事に対して。

 

別に失敗したわけでもないし、

仕事を取り上げられたわけでもない。

 

何も変わっていない。

ただ、ふと立ち止まってしまっただけだ。

 

彼にそのことを話したら

少し笑ってくれた。

 

私なんて会社に要らないんだよ、って

新人さんが伸びてきたり、外部の人が来て

デザインも、画コンテも、解析も

私の代わりなんていくらでもいるから。

 

そう愚痴ったら、彼は

きみはその人たちより上のランクでしょ、って。

比べ物にならないくらい出来る子でしょ、って。

 

彼はいつだって、私よりも私の味方だ。

 

今日作ったスポットCMのオフラインも

すごくすごく褒めてくれた。

 

生まれてこの方、自信なんてなかったでしょ。

いつだって、自分のことが嫌いなくせに。

 

今更だ。

 

今更なのに、ふと気づいてしまった思考を

見て見ぬ振りができない。

 

=遊兎=