Cry for the Moon

哀しがりの黒猫のひとりごと。

今が1番会いたいかも。

帰省の荷ほどきをして、洗濯をしていた。

明日は少し出掛けようと思っていて

彼にも予定をあけてもらった。

 

 

祖母が亡くなったと母から連絡があった。

少し泣き声の電話は、

すぐに父に代わって、

香典の話を淡々とした。

 

心の準備はできていても、

やはり哀しくて耐え難かった。


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彼が撮ってくれたあずきの写真。

ぬいぐるみみたいだな、

可愛い。

ふわふわで、あったかいあずきの頭に

顔をくっつけて匂いを嗅ぎたい。

 

心がぐらついているから、

今いちばん、あずきを抱っこしたいかも。

 

******

父から、

葬儀には戻ってこなくていいと言われた。

ついこないだ帰ってきたばかりだし、

お盆のラッシュと台風で、新幹線を取り直すのは難しいからと。

 

本当は戻るべきだったんだろうけれど、

父の言葉に甘えて、戻らないことにした。

香典と花代だけ送ると伝えた。

 

泣いている私に代わって、

彼が義実家にも連絡を入れておいてくれた。

香典を代わりに出しておいてほしいと言われたので

用意することを伝えておいた。

義母にも前もって話しておいてよかったな、

やりとりがスムーズになった。

両親同士のやり取りがなくて済んだのもよかった。

どちらの両親も気を遣ってしまうだろうから、

互いに連絡せずに、私たちを通してやりとりしてくれた。

 

ふと気を抜くと泣いてしまう。

祖父の時よりも喪失感は強くないけれど、

誰かが亡くなるということは、やはり悲しい。

 

こんなに辛い思いを、これから何度もするのかと思うと耐えられないし

いっそ誰よりもはやく、なんてやっぱり考えてしまう自分が嫌だ。

そして、過去の自分の行いを思い

両親や友人たちにこんな思いをさせてしまう直前だったんだなと思うと

罪悪感でぐちゃぐちゃになる。

 

ただ純粋に祖母を想うことができない自分にも

また嫌気が差す。

 

お盆が終わる。

きっと祖父が祖母を迎えに来たんだろう。

愛犬も一緒に。

 

祖父が亡くなって、実家を建てるために壊した

祖父の家をふと思い出す。

夏の思い出はいつもあの場所にあったと思う。

 

戻りたいけれど、もう二度と戻れない場所。

 

 

=遊兎=