Cry for the Moon

哀しがりの黒猫のひとりごと。

涙のいってらっしゃい。

義祖母の四十九日の法要は、

滞りなく、穏やかに終わった。

 

義祖母の思い出を語る皆の表情は

とても柔らかかった。

 

一度お家に帰ってきてから

少しふたりでうとうとして、

それから、空港へ向かう彼を見送った。

 

空港まで見送りに行くか迷ったけど

かなり遠いし、

帰りは一人だと思ったら、辛くて

一人で帰ってこれる自信もなくて

彼にもお家にいるよう言われたから

玄関でのお見送りになった。

 

いってらっしゃいと声に出して言ったら、

心が不安で潰れそうになって

ぼろぼろと泣いていた。

 

彼はそれを見て笑ってて

すぐに帰ってくるからね、と言ってくれた。

 

淋しいな、ひとりぼっちは心細い。

幸い、仕事もあるし、

やることをしていればきっと

すぐに帰ってくる日になる。

 

大丈夫だと言い聞かせて、

今日は眠ろう。

 

=遊兎=