Cry for the Moon

哀しがりの黒猫のひとりごと。

You are the love of my life.


まだまだ続く、結婚式まとめ記事。
過去記事はこちらから。
ブライズルーム篇

チャペル篇

会食前篇


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会食が進み、
都度都度彼とは耳うちで打ち合わせ。

サプライズで行うプログラムの前に
どういう風に話を進めるか、
こそこそ、その場で決めてました。笑


サプライズでのフリと
ゲスト同士をつなげる意味を込めて
新郎新婦からひとりひとり紹介。

席次表に、ゲストを一言で表した
紹介文を勝手に入れていて、
それをいじるような感じで話をしていきました。
笑いもあり、涙もあり、
少人数だからこそできる演出だったかと思う。

ひとりひとり、大切な人だから
声をかけられて良かったし
家族やほかのゲストにも
少しでも記憶に残ってくれたらと思って話をしました。

本当は食事をしながら、聞いてもらうくらいで
考えていたんだけど
みんな手を止めて、しっかり話を聞いてくれていた。
あったかい人ばっかりだなって思っていた。


そして、サプライズに手を貸してくれた
彼の親友さんの紹介。
その流れで、私たちがいちばん楽しみにしていたイベントに。


作曲家の親友さんに、前もって依頼をして
会食会場にピアノを入れてもらい
私たちにとって特別な思い入れのある
東京事変さんのキラーチューンを、生演奏してもらいました。

お願いしたときは、ピアノだけだったけれど
親友さんの方から、バイオリニストを2人
呼んで演奏したいとご連絡をもらった。
その方が凄く良い曲になるからと。

元々はバンド曲。
私が楽譜もバンドスコアだったのに
わざわざ、ピアノとバイオリン2本の編曲を
書き下ろしてくれていた。

アレンジは当日まで秘密にしてほしいと告げていて
私たちもすごくすごく、楽しみにしていた。
他のイベントは、できるだけ
ゲストへの配慮を最優先にしていたけれど
ピアノの演奏だけは、ほかの人があまり知らない曲だとしても
結婚式にはなかなか演奏されない曲だとしても
私たちの希望を最優先にした。



わたしたちへのサプライズ。
特別な気持ちで聞いていた。

私たち新郎新婦を見立てたバイオリン2本が主旋律を
そしてそれをピアノがサポートするという
親友さんらしい編曲だった。

何度も聞き、口ずさんだ曲。
それでも何度だって聞きたくなる。

特別な曲。



アレンジはとても拘りぬかれていて、
私たちだけのために演奏されるのは
もったいないくらい、完ぺきだった。

演奏を聴いている間、
私たちは手をつなぎ、
私はぽろぽろ、泣いていた。

本当にいい演奏だった。
演奏が終わった後、
彼と親友さんがハグしているのは
とてもいい瞬間だった。


演奏が終わって、少し食事を続けた後
家族たちへのサプライズ。

両親への手紙。
式の準備をしているときには
涙もろい両親だから
手紙なんか読んだら、グズグズになっちゃうと思って
手紙を読むイベントはないよって話していたんだけれど
最後のうち合わせのときに、やっぱりやりたいと
組み込んでもらった。

たくさん泣いてもらおうと思った。
私たちにとって最初で最後の結婚式であるように
両親が「親として参加する最初の結婚式」であったから。

主役はうちの両親だって思うくらいのときだってあった。
挙式は、両家の家族のためだと思ったから。

だから、手紙も読むことにした。
両親に向けて、
そして彼のご両親に。
できる限り退屈せず、独りよがりにならず
そして両親への感謝をたくさんこめた
彼曰く「各所に配慮に配慮を重ねた」手紙。

母は号泣して、
父は目を真っ赤にしていた。
私も読みながら泣いていた。

結婚したのは1年前なのにな、って思いながら
それでも、やっぱり泣いてしまうものなんだなあって。

手紙と一緒に、
両家へ記念品を贈呈した。
普通は花束なのだろうけれど
福井まで持ち帰るのは大変だと思って
夫婦湯飲みとフラワーアレンジメントのセットを贈った。
桐箱に入っていたから中身は見えなかったけれど
持ち帰った後、両親に聞いたら気に入ってくれていた。

そして、両家が一列に並んで終わりの雰囲気に。
でも、そこで最後のサプライズ。

私から、もう一人感謝の気持ちを込めた手紙を。
挙式に対してのわがままをたくさん聞いてくれて
ポンコツな私の傍にいてくれて
これからずっと、支えあって生きていく彼に書いた手紙。

こっそり用意をしていて
誰にも内緒で進めていた。
知っていたのは、一部のスタッフと私だけ。

読み始めた私に、彼は少しびっくりしていて
ひとつひとつの言葉を噛みしめるように聞いてくれた。

手紙を締める言葉は勿論、
「私はあなたの一生もの」。


彼に手紙を渡し、
新郎父からの祝辞、
そして彼の締めの言葉で式は結びへ。

結びの言葉も、もちろんアドリブ。
何の話をするのかと思ったら
私と結婚しようと思った理由だった。

ずっとずっと内緒にされていたそれは
一番聞きたかったことで
私にとって、最大のサプライズだったと思う。

「今まで結婚を意識して生きてこなかった。
 遊兎さんに出会ったときに初めて、結婚したいと思った。
 人のために行動できる人と結婚したいと思っていた。
 遊兎さんは人のために何かをできる人だ。」

そう言ってくれた。
話すのが上手じゃない彼が
思うままに話してくれた
素直な言葉がなによりも嬉しかった。

結婚式を挙げると決めたときから
私はずっと、親族とゲストのための挙式にしたいと思っていた。
そう思って動いていた。

だから、
その姿を見ていてくれたようで
その姿を好きでいてくれたんだと思えて
とっても嬉しく幸せだった。


自分を大切にできなかった私が
やっと自分を赦せる一歩を踏み出せたような
誰かを想う私を
彼が大切に思ってくれることが
どれだけ幸せなことなのか

きっと言葉にはできない。

彼の言葉を聞きながら私は涙を止められなくて
なぜだか彼も、言葉を詰まらせ泣いていて
きっと周りは不思議だったと思うけれど
本当に特別な瞬間だったんだ。


そうして、深くお礼をして
挙式と会食はお開きに。

最後に見送りとなります。


この記事を書きながら、
また泣きそうになった。笑

本当に特別な日だった。時間だった。
サプライズにあふれた
私たちらしさを象徴する会食だったと思います。

=遊兎=