Cry for the Moon

哀しがりの黒猫のひとりごと。

足元が崩れて立ち竦んでしまう

今日は税理士との定例会議。

経理さんが体調不良でお休みだったから

私と、上司と、社長の3人が参加した。

上司が時間を間違えて、遅れて参加してきたんだけど

内容の多くは、上司の退任にフォーカスをした話だったから

とても気が重くて、しんどかった。

 

税理士打ち合わせのあと、

社長に呼び止められた。

話があるから、と喫茶店へと向かった。

話がある、と言われたときは大体ろくなことはない。

ましてや、社内に人が多いからと

社外にわざわざ連れ出すくらいだから、絶対に良くない。

予感はばっちり当たっていて

社長が考えている「上司が辞めてからの会社の方針」の話で

そのどれにも私は共感できなくて、

不安と疑問しかなくて、

ただただ、恐怖だった。

 

上司が辞めてしまうのは、もう避けられないことだけれど

私は会社に残って良いからねと、上司からは言われていて

実際会社でやっている仕事の多くは、今の社員たちには

引き継げないものばかりで

上司からの仕事も受けつつ、制作会社の仕事はこのまま

続けていくと思っていた。

 

ふと、社長の言葉選びに違和感を感じて

私はまだお仕事続けてよいでしょうか?と言葉に出して聞いたら

快諾とは言えない表現をされた。

まあ居たいのならいればいいけど…みたいな口ぶりに

ああ嫌な予感が当たったぞと思ったけれど

遊兎さん何をしてるか分からないし、と続けた社長。

「急ぎの請求書なんて、もう一人の経理ができるし」

と言われた瞬間、何かが切れたような気持になった。

 

私の仕事は、別に請求書を書くことじゃない。

勿論経理としての仕事もしているけれど

請求書を書くなんて、仕事の1%にも満たないんじゃないだろうか。

 

決算にまつわる数字計算や、経費処理、

案件管理、外部との取引書類をやりとりし

社内のインフラを整備し、WEBを管理し

営業資料を作り、デザイン仕事を引き受け、

企画書を書き、リクルートや営業もやっている。

本当に書ききれないほど、いろんな仕事をして

そのどれもが、誰もやりたがらない仕事ばかりだと思う。

 

それをひとつも評価されていないのかと思ったら

ああ、この人の下で働く意味って何?ってなった。

東京に来て、もう7年近く働いていた。

社長が使う多くの備品を手配し、ネットワークを準備し

サービスを導入し、コストを下げ

いろんな営業から情報を仕入れつつ、

社員の仕事が止まってしまわないように、

ずっと縁の下で支えているつもりだった。

 

ああ、そうか。

請求書書くだけ、か。

 

そういわれた瞬間に、今までの7年間が一気に崩れて

何もわからなくなった。

 

上司が辞めて大きな穴が空くことも、

全く問題ないと言われた。

入社して1年、上司に付いていた後輩たちはきっと困惑すると伝えたら

別に辞めたってかまわない、ダメージなんてないって

人との縁が何より大切と言っていた社長の口から

そんな言葉がポンポンと出てきて

それなのに何一つ、説得力のある説明はなくて

ポンコツ営業を右腕に据えて仕事をいっぱいとってくるから!なんて

最悪にもほどがある。

 

営業アシスタントの仕事をしてよ、と言われた。

暗にそれをしないと、会社に居場所はなくなるような言い方だと感じた。

勿論給与はあげてもらえないし、

何ならぼくが嫌っているポンコツと一緒に仕事をさせようとしてくる。

上司から、ぼくがポンコツを信用していないことも聞いているのに

それをにやにやと笑いながら詰られたのが悲しかった。

 

仕事をしない人間を信用できないし

これまで何度かアシストをしたけれど、それをすべて無下にされた。

言われないと仕事ができず、何も自分で考えず

クライアントとの打ち合わせをドタキャンするような人間に

なぜお金を支払って会社にいてもらわなきゃいけないのか

本当に一ミリも理解ができない。

 

なにもかも、わからない。

これから、飲み会を頻繁にするとか

飲み会じゃないとコミュニケーションをとれないとか

必死に、経費を削減しろと言われて

いろんなものを削っていったのに

それが全部、ポンコツとのタダ飯に使われ

社長の都合に合う人間のみを連れていく食事に使われることとか

ぜんぶぜんぶ、意味が分からない。

 

もうだめだ、

私の居場所はもうない。

働きやすくていい場所だったのに

もう全部崩れ落ちた。

 

上司についていけたらいいのに。

ここに残る理由なんてないって、

私が私として働けないのなら

ここまで身に着けてきた技術も知識も

全部ムダになるのなら

こんな場所にいたくない。

 

 

彼はまだ帰ってこない。

はやく帰ってきてほしい。

話を聞いてほしい。

私はもうここにいられない。

 

=遊兎=