Cry for the Moon

哀しがりの黒猫のひとりごと。

この言葉以上に相応しい言葉なんて

今日は在宅で作業。

とあるアーティストさんのMV企画書の叩きを作ることに。

私が映像に携わり始めたころからお付き合いのある

アーティストさんなので、いろんなことが分かる分

どんな企画にするべきか、

監督がまるっと任せてくれるくらいにはなってるみたい。

 

ある言葉が浮かんで、離れない。

私にとっては特別すぎるほどの一文。

この企画にきっと似合ってしまう。

でも、特別過ぎて手放したくない。

そんな嫉妬に似た感情にぐらぐらと揺れている。

 

この話を彼にしたら、不思議そうな顔をした。

きっと彼にはこういう感情はなくて

でも、分からないとか言わないでいてくれた。

ただ聞いてくれただけで良かった。

 

結局それ以上に相応しい言葉が浮かばなくて

考えれば考えるほど、その言葉がぴったりすぎて

コンセプトに添えて、企画書を書き上げた。

 

美しく、儚く、そしてしなやかに。

ルックトーンを揃えたイメージと

丁寧に選んだフォントと言葉。

 

気に入るだろうか、

そもそも監督が理解してくれるだろうか。

 

その言葉の意味を、

その言葉の重みを、

思い入れと、執着を、

きっと誰も理解してはくれないけれど

それでも良い、

今の私が書く最高の企画書になったから。

 

この企画が通って、映像化されるんだとしたら

どんなものになるんだろう、

手を離れた瞬間、もう私の作ったものではなくなるけれど

大きく羽ばたいてほしいと思う。

ただそれだけ。

 

=遊兎=