一泊して、すぐに帰る時間になった。
父は趣味のゴルフ観戦に出かけて
姉もどこかに出かけたらしい。
家にはあずきと母だけで
朝少し早く起きて、あずきと遊んだ。
ふわふわのいいこちゃん。
撫でられても嫌な顔しないのね。
いいこね。
母の運転で駅に向かい、
たまたまセレモニーで賑わってしまっていたから
道の途中で下ろしてもらった。
いつもの手厚い見送りも、今回はナシで。
ずっと眠れなかったのに、
実家での夜は久しぶりの睡眠だった。
両親が早くに起きた物音で、目は覚めたけれど
ここ数日の不眠がすんなりと解消されたことに
自分でもすごく驚いた。
たぶん、ずっと気がかりだったんだろうな。
帰りの新幹線の中では、
ずっと天使ちゃんの写真を眺めていた。
会ったあとが一番会いたいんだよな。
もっと抱っこしたり遊んだりしたかったな。
弾丸の帰省はいつも、足りない気持ちになる。
彼もずっと仕事をしていて、大変だっただろう。
新幹線でも、ずっと編集作業だった。
まあ、他にすることがないおかげで進みは早かったって言ってたけど。笑
目を閉じて、祖母のことを思う。
子供のような人だったなと思う。
少なくとも記憶に残っている祖母は
いたずらっこのように笑い、甘いものが好きで
ゲームが好きで、博打家な人で
天真爛漫な人だった。
さようなら、おばあちゃん。
どうかずっと見守っていて。
=遊兎=